エネルギーエコシステム学分野

バイオケミカルス生産

 プラスチックなどの材料、ケミカルスの多くは石油などの化石資源から製造されています。したがって、化石資源の枯渇の問題はエネルギー問題のみにとどまりません。化石資源が益々利用しづらくなる将来において、再生産可能なバイオマス資源から材料、ケミカルスを生産する技術を今から準備しておくことは極めて重要です。そこで当研究室では、反応機構をベースに複雑な熱分解反応を高度に制御する方向、種々の機能を持つ植物の抽出成分を利用する方向などからアプローチしています。

 バイオケミカルスには二つの方向性があります。一つは、現在の化石資源ベースの技術にそのまま利用できるようなエチレン、ベンゼン、トルエンなどのケミカルス生産です。もう一つの重要な方向性は、バイオマスだから生産することのできる高付加価値のケミカルスの生産であり、例えば、医薬品製造などに欠かせない光学活性を有するケミカルスなどがあります。

熱分解制御によるバイオマスからのケミカルス生産

植物からの有用ケミカルス生産